前回公的医療保険制度は最強という話をしましたが、制度ではカバーできない点や注意点を見ていきましょう。
カバーできない出費
100万円の治療を受けたとしても8.9万程度あれば治療は受けられるという話をしました。
みなさんは「そのくらいなら全然貯金から払えるし、そのために準備なんてしなくていいよね」と思うかもしれません。
本当になんて素敵な国の制度なのでしょうか。
ただメリットがあればデメリットが存在します。 色々とありますがこの制度では賄いきれないものを大きく3つにわけました。
①入院に伴う費用
高額療養費制度というのは【医療費】に対して適応されるものとお伝えしました。
ですので、ベッド代・食事代・テレビカード・雑費などは対象外となります。
特にベッド代は病院によっても違いますし、大部屋か個室かによっても変わってきます。
仮に1日5,000円かかる病院で1か月入院した場合15万円は自己負担となります。
食事も1食460円。1か月入院すれば4万円程度。
また、入院中はとにかく暇です。入院の経験がありますが、テレビを見たり、コンビニに行ってみたり、本を買ったり・・・そういった雑費がかかりますので、意外とお金がかかるのです。
大部屋を希望もしくは個室を拒否すれば安く済むなどという情報も流れています。
病院都合で個室となってしまった場合は確かに拒否することができます。
ただ個人的にはお金を出しても個室をおすすめします。
追々その点については話していきます。
②長期治療費用
正直一番大変なのは「長期で治療が続いてしまった場合」だと考えています。
高額療養費制度を連続して使う場合、自己負担は8.9万円からさらに割引が利いて44,440円となります。
つまり44,440円は毎月毎月かかってくるということです。
例えば乳がんですが、ホルモン剤治療を5年から10年するそうです。
となると、いくら高額療養費制度を使ったとしても交通費など含め5万円程度を10年間払っていきます。年間60万円。10年間で600万円もかかる計算になります。 貯金で賄えますか?賄えるとして、それは病気になった時のためだけに貯めていたお金ですか?自分が使いたいと思っていたお金を治療に充てなくてはいけません。
③保険適応外治療
いわゆる先進医療や自由診療と呼ばれるものです。
細かい話は別途記事にしますが、先進医療を使うと300万400万円は保険適応外のため、自己負担になります。
いくら目の前に助かる方法があったとしても、お金が出せなければ使えません。
これは健康保険制度では賄えません。
ただこういった制度を知っているか知らないかで、民間保険の入り方は大きく変わってくると思います。
今まで足りると思っていたものが足りない、思ったより健康保険制度でカバーできているから過剰に入っていた。
しっかりとご自身の現状を把握してみてください。
まとめ
- 高額療養費制度は万能ではない
- ベッド代など医療費以外のものがかかってくる
- 長期治療では負担がボディブローのように効いてくる
- 先進医療や自由診療は健康保険適応外
- 今自分がどのくらい国の制度を使えるかを把握することが大事
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