「生命保険に入る前に」では資産形成についてや現状把握の大切さ、公的制度について勉強してきました。「守る力」である保険とはそもそもどういったものなのか。もっとも根となる部分の説明をしていきたいと思います。
相互扶助
誰にでも人生の中で経済的リスクに直面する可能性があり、自身の貯蓄だけでは足りない場合がありますよね。
保険とは大勢があらかじめお金を負担しあい「もしも」のことが現実に起きた時に給付を受けられる仕組みのことを言います。
これは「相互扶助」という考えから出来ています。
「相互扶助」についてもう少しわかりやすく説明します。
まず、想像していただきたいのは学校の運動会です。皆さんが一緒に競技に参加され、時には応援をする様子を思い浮かべてください。運動会では時々誰かがケガをしたり、疲れてしまったりすることがあります。そんな時クラスの皆がその子を助けたり、応援したりすることがあるでしょう。
「みんなで支え合う」ということです。
生命保険の相互扶助も、この様子に似ています。多くの方々が少しずつお金を出し合います。このお金は「保険料」と呼ばれ、大きな資金のプールのようなものを形成します。
そしてそのグループの中の誰かが死亡したり、病気になったり、ケガをされたりした場合、そのプールからお金が支給されその方やその方の家族を支援するのです。
つまり、皆さんが少しずつ集めたお金で、困っている方を助けることが、
生命保険の基本的な考え方です。
「一人は万人のために、万人は一人のために」
そんな考え方によって保険は成り立っているということを抑えておいてください。
公的保険制度の補填
これまで公的保険制度のことを話してきましたが、すべてがすべて公的保険制度では賄えないという話をしてきました。
そこで登場するのが民間の保険です。
ここでポイントなのは、その人それぞれでリスクと感じる事象が違うということです。
例えば、新しく家族ができたので、もし万が一自分が死んでしまった時に家族が路頭に迷ってしまう、そのための備えをしたい。という人もいれば、がん家系だからいずれなってしまうかもしれない、その治療が長引いた時が怖い、という人もいれば、資産はある程度あるから、相続の際に資産を揉めないように分割したり、生命保険の控除を使って節税したい・・・などなど・・・
人によって違います。
だからこそ現状把握と一緒に、どうなったら一番困るかを考えなくてはいけません。
保険は「なるかならないかを考えるのではなく、なった時にどう困るのか」を考え、その不安を解消する手段です。
確率論で保険はいらないと言っている人もいますが、私個人的にはなるかならないかの2択です。
1%の人しかならない。だから入らない。ではなく、そうなった時に自分はどう困るか、それの不安を解決したいかどうかを考えるのが非常に大事です。
保険の本質は保障
昨今、保険でお金を増やしたり、得をすることを目的にした保険提案をする営業マンがいます。
実際NISAなどよりパフォーマンスがよかったり、税金がかからないテクニックなどあり、
保険は投資の要素も含まれますので、むしろ保険での投資も併せた方が良い場合もあります。
ただそれらは保険加入によってもたらされる副産物のようなもので、本質的な機能というのは
「保障」です。
仮に1か月しか支払わず、万が一を迎えてしまった場合、遺されたご家族に何百万、何千万円ものお金がすぐに届けることが出来る、あらゆる金融商品の中で唯一無二の機能なのです。
まとめ
- 保険は相互扶助の考えで出来ている
- あくまで民間の保険は公的保険制度の補填
- 保険の本質は「保障」であり金融商品の中で唯一無二の機能を持つ
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